2026.09.07

雪国でセイヨウニンジンボクを育てて10年

「寒冷地の地植えは難しい」と書いてある

セイヨウニンジンボクを調べると、たいてい「寒さにあまり強くない」と出てきます。「-5℃くらいまで」「寒冷地での地植えは難しい」と書かれていることも。

飯豊町の冬は、それよりずっと下がります。

でも、うちの木は3メートルくらいになりました。植えたのは10年ほど前。特別な寒さ対策は、何もしていません。

2019年の庭。まだ若いセイヨウニンジンボクと歩く猫
7年前(2019年9月)。猫の右うしろ、細い葉の株がセイヨウニンジンボクです。このころは1.5メートルほどでした

雪に埋もれるから、かえって平気なのかも

どうして「-5℃まで」と書かれている木が、それより寒いここで育つのか。

考えたのですが、あの数字は鉢植えを想定したものなのかもしれません。鉢は土が少ないので、鉢ごと凍ります。根が直接冷気にさらされます。

地植えのうちの木は、冬のあいだ雪に埋もれています。雪は布団のようなもので、下は0℃くらいで保たれるそうです。外がどれだけ下がっても、雪の下はそれほど下がらない。

雪国だから育たない、ではなく、雪が深く積もるから育っているのかもしれません。

案内役のモナ

これは店主の推測だよ。専門的に確かめたわけじゃないから、そのつもりで読んでね。

ただ、春はいつも待たされる

そのかわり、春の芽吹きがとても遅いです。

6月5日、やっと芽吹いたセイヨウニンジンボク。足元ではジャーマンアイリスが満開
6月5日でこれ。足元のジャーマンアイリスはとっくに満開です

6月に入って、やっとこの状態。毎年「今年はだめだったかな」と思うころに、ようやく動き出します。

枯れはしないけれど、得意ではないのだと思います。

剪定の時期で、花の咲く時期が変わった

寒冷地では、いつ剪定するのが正解なのか分かりませんでした。調べても出てこないので、年によって時期を変えて試してみました。

7月に咲いたセイヨウニンジンボク。青紫の花穂が株いっぱいに立ち上がっている
秋に剪定した翌年は、7月に咲きました
10月に咲いたセイヨウニンジンボクを上から見たところ。左にスモークツリー
春に剪定した年は、10月にずれこみました

同じ木なのに、これだけ変わります。花期が長いのではなく、切る時期で咲く時期が動くようです。

いまは秋に切っています

透かし剪定をしながら、秋にけっこう思い切って切ってしまいます。理由は3つ。

剪定前のセイヨウニンジンボクを離れて見たところ。枝葉が茂って丸く盛り上がっている
切る前(9月18日)
剪定後のセイヨウニンジンボクを離れて見たところ。枝が減って向こうの建物が見える
切ったあと。奥の建物が見えます
剪定前のセイヨウニンジンボクを下から見上げたところ。葉が重なって空が見えない
見上げると、葉で空が見えません
剪定後のセイヨウニンジンボクを下から見上げたところ。枝の間から空と脚立が見える
切ったあと。枝の間から空が抜けます

これくらい切ります。ずいぶん減らしたように見えますが、翌年にはまた同じくらいまで伸びます。

ひとつだけ、気をつけていることがあります。

切り口が乾くまで、雨に当てないこと。濡れると乾かないし、傷口が傷みます。だから秋晴れの日を選んで、天気を見ながら切っています。

これさえ守れば、秋に思い切って切っても問題は出ていません。何年もやってみて、そう感じています。

こぼれ種から、勝手に生えてきた

種を取って蒔いたわけではありません。いつの間にか出ていて、いつの間にか大きくなっていました。草をむしっているときに気づきました。

ちょうどいい場所だったので、そのまま育てることにしました。いまは胸の高さくらい。たぶん3年目です。

親の木のセイヨウニンジンボクの花。青紫の小さな花が穂になって咲いている
親の木の花。きれいな青紫が、もともとの色です

咲いてみたら、親の木より花の色が少し薄い。種から育つと変わるんだな、と思って眺めています。

こぼれ種から育ったセイヨウニンジンボクの花。白に近い淡い色の花穂
こぼれ種から育った株の花。白に近い色で咲きました

もう一本は、まだ15〜20センチくらい。花が咲いていないので、何色になるかは分かりません。

もう一本は通路に出てしまったので、邪魔になって処分しました。

香りのこと

葉や実に、独特の強い香りがあります。好き嫌いは分かれると思いますが、私は爽やかな感じがして、嫌いではありません。

調べてみたら、この実はチェストベリーという名前で、月経痛やPMSのハーブとして使われているそうです。日本でも市販薬になっていました。庭の木が薬になる木だったとは知りませんでした。

案内役のモナ

庭の実を口にするのはやめておこうね。ホルモンに働きかけるものだから、使うなら薬局のものを選んでね。

手はかからない

10年育てて、病気はついたことがありません。虫も、一度だけ大きな芋虫がいてびっくりしただけ。

花がきれいで、手がかからなくて、寒さにも耐える。もっと知られていい木だと思います。

青紫の花が咲いたセイヨウニンジンボクの株全体
咲くと、株ごと青紫になります

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モナ

この記事を書いている人と、案内役のモナ

雪国で、季節の花があふれる庭を育てています。
もうひとつの仕事として「あしあとアトリエ」という名前で、 大切な家族の姿を絵や動画にして残すお手伝いをしています。

記事のところどころに出てくる狐が、案内役のモナです。

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