2026.09.10

夏水仙を10年植えっぱなしにしてみた

 この夏水仙は、祖父が育てていたものです。

 祖父の家を離れて10年以上たったころ、母と「そういえば、あそこに植えていたよね」という話になりました。でも、どこに植わっていたのか分かりません。夏水仙は、花の時期を逃すと、地面に何も残らないからです。

まず、花の咲くころに場所を確かめに行きました

 夏水仙は少し変わった育ち方をします。春に葉が出て、梅雨の前に枯れます。夏になると、葉のない地面から花茎だけがすっと伸びてきます。別名を「ハダカユリ」というそうです。

 つまり、花が咲いているときにしか、どこに植わっているか分からないのです。

 花のころを見計らって見に行きました。

 祖父の家は、庭も畑も原野のようになっていました。草があれ放題で、どこが庭だったのかも分かりません。それでも、夏水仙は咲いていました。誰も手をかけないまま、何年もそこで咲き続けていたことになります。

 場所を確かめて、あらためて掘りに行きました。葉が枯れて花が咲く前の、地面に何も出ていない時期です。2016年のことです。

 掘りはじめて驚きました。次から次へと、大きく育った球根が塊になって出てくるのです。

 手入れをやめた土地です。耐えているどころではなく、増えていました。ひとつひとつの球根も、立派に育っていました。

 母と2人で掘り起こして、10塊ほど持ち帰りました。塊をばらして、母と半分こにして、それぞれの庭に植えました。

 あとで調べたら、掘り上げの適期は葉が枯れたあとの6月ごろだそうです。何も考えずに掘りましたが、たまたま合っていました。

 祖父がどこかで一目惚れして、知り合いから分けてもらったものだと思います。新しい品種ではないでしょうし、品種改良が進んだものでもないはずです。その分、丈夫なのかもしれません。

 草に埋もれても咲いていた花です。うちの庭で10年放っておいたくらいでは、どうということはなかったのだと思います。

植えっぱなしにしたら、こうなりました

分球して塊になった夏水仙の球根を持ち上げたところ
10年ぶりに掘り上げた株。球根がくっついて塊になっていました

 2016年に植えたものを、今年の6月に掘り上げたのがこれです。

 球根同士がくっついて、手のひらのような塊になっていました。ひとつずつ外していくと、かなりの数になります。

根がびっしりついた夏水仙の球根1つ
外したところ。根がしっかり張っています

 育て方を調べると「4〜5年に一度は掘り上げて分けましょう」と書いてあります。うちは守っていません。

掘り上げるのは、葉が枯れたあとの6月

 うちは6月に掘り上げています。葉が枯れたあとです。

 夏に葉が見当たらないので、うっかり別のものを植えてしまわないように気をつけています。植えた場所に目印を置いておくと安心です。

増えすぎた球根は、メルカリへ

掘り上げてカゴに並べた夏水仙の球根
2024年に掘り上げたぶん。元の場所には植えきれません

 2024年に一度、混み合ってきた場所を掘り上げました。元の場所に植え直すには多すぎたので、はじめてネットのフリマで売ってみました。

 今年6月に掘り上げたぶんも、同じように出して、おかげさまで完売しました。

 嫁いだ先の庭でも、また人の目を楽しませてくれていたら嬉しいです。

10年おいても、特に問題はありませんでした

 正直なところ、10年ものと8年ものとで、大きな違いは感じませんでした。

 うちは最初に植えたのが小さい球根だったので、大きくなるまでに時間がかかっただけかもしれません。

 これから植える方は、ここが分かれ目になると思います。大きい球根を買えば早く咲きます。小さい球根なら安く手に入りますが、しばらく待つことになります。

小さくてはじいた球根も、ちゃんと咲きます

掘った溝に夏水仙の球根を並べて植え付けているところ
2024年10月。小さい球根と傷つけた球根を植え直しました

 2024年に売るとき、小さすぎるものと、掘るときに傷つけてしまったものは、はじいて手元に残しました。それを庭に植え直しました。

青空の下で咲いた夏水仙の薄いピンクの花
今年8月。あのとき植え直した球根です

 今年の8月、その球根が咲きました。

 小さいから咲かない、というものでもないようです。

猫や小さいお子さんがいる場合

庭でかたまって咲く夏水仙の花
咲きそろうと、このくらいのかたまりになります

 夏水仙は、ヒガンバナの仲間です。リコリンという毒があり、とくに球根に多いとされています。

 犬や猫が口にすると危険です。うちは猫と暮らしていますが、完全室内飼いなので庭には出しません。

 掘り上げた球根を庭先に置いておくときは、気をつけたほうがいいと思います。

よくある質問

 植えっぱなしで大丈夫ですか

 うちは10年そのままでしたが、枯れることはありませんでした。ただ、混み合ってくるので、増やしたくないなら数年で掘り上げるほうがいいと思います。

 花が咲かないのですが

 葉が黄色くなる前に刈ってしまうと、翌年に咲かないことがあるようです。うちは枯れるまでそのままにしています。

まとめ

 半分こにした母のぶんも、母の庭でちゃんと咲いています。今年も咲いていました。

 そちらもそろそろ掘り上げて、植え直さないといけません。母はもう自分ではできそうにないので、私がやることになりそうです。

 そうしたら、また出品できると思います。今回買えなかった方は、楽しみに待っていてください。

 祖父が育て、母と2人で掘りに行き、いまは2つの庭で咲いています。手をかけている人が三代替わっても、同じ球根が毎年咲いてくれています。

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この記事を書いている人と、案内役のモナ

雪国で、季節の花があふれる庭を育てています。
もうひとつの仕事として「あしあとアトリエ」という名前で、 大切な家族の姿を絵や動画にして残すお手伝いをしています。

記事のところどころに出てくる狐が、案内役のモナです。

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